Peru北西部:カオの婦人が発見された【エル・ブルホ遺跡】は魔術師のパワースポット!?

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ペルーの北西部。
前回のチカマビーチの記事の中で少し触れましたが、チカマ川の河口付近に「エル・ブルホ遺跡」と呼ばれる観光スポットがあります。

この記事を公開するちょうど3年前にあたる2017年7月4日。
この場所で、模型として復元された女性ミイラがお披露目され、日本のメディアでも報じられたこともあるところなんですよ。

とうことで、

ニッペママ
ニッペママ

今回は、『エル・ブルホ遺跡』にルーペ!!

エル・ブルホ遺跡(Complejo Arqueológico El Brujo )とは?

エル・ブルホとはスペイン語で「魔術師」所謂シャーマンを意味する言葉。
その言葉のとおり、この地は”シャーマンのパワースポット”だったようです。

魔術師のパワースポットだなんて、何だかハリー・ポッターのような世界を想像してしまいますが、どんなところなのか、その特徴を順番に見ていきましょう。

エル・ブルホ遺跡はモチェ文化のピラミッド複合体

エル・ブルホ遺跡は、主要な2つのピラミッドによって形成された複合体。

ここにはヒスパニック前植民地時代のさまざまな遺跡が残っています。

モチェ文化に属するこのピラミッドは、壁画の色の多様性、高浮き彫りの技法が特徴的で、兵士に連れ去られた囚人や儀礼の様子を描いた彩色壁画が残っています。

モチェ文化とは

プレ・インカ(インカ帝国以前のアンデス文明の諸文化)の高度な文化のひとつ。ペルー北岸ラ・リベルタ州のモチェ川から「モチェ」のいう名称が付けられた。

ピラミッド1:ワカ・カオ・ビエホ(Huaca Cao Viejo)

モチェ神殿の中心。キリスト教時代の初めに建設が始まり、紀元前1世紀~約9世紀まで使用されていました。

行政および美式の中心地だった

この場所は、チカマの住民にとっての行政および儀式の中心地でした。

女性ミイラが埋葬されていた

2005年、考古学者のレグロフランコ氏によって、ラセニョーラデカオとして洗礼を受けた女性の遺体がこの場所に埋葬されていることが発見されました。

これは、コロンブス以前の文化における女性の役割の再考となる重大な大発見!

7つの建物が発見されている

これまでに、ワカ・カオ・ビエホ内には7つの異なる建物が確認されています。
建物には、角錐台・長方形の囲い・儀式用の広場など、チカマ渓谷に生息していたモチェの建築を分析できる構造が見られます。

生贄にされた捕虜や兵士、儀式の様子を描いた壁画は必見です。

ピラミッド2:ワカ・プリエタ(Huaca Prieta)

1万4500年前~4000年前まで人々が漁業と農業で生活を営んでいたとされる場所。

植物を栽培し漁業の発展に貢献

漁師らが植物の栽培化によって海洋経済を発展したとされ、この時代の農業実験が古代のワカ・プリエタ漁業の発展を後押ししました。
たとえば、栽培した綿で漁網や釣り糸を改良したり、強化することができたようですね。
カボチャは漁網の浮き具として使用されました。

ピラミッド3:ワカ・コルタダ(Huaca Cortada)

カオ・ビエホの約500メートル北西部に位置し、およそ10,000平方メートルの面積を占めているエルブルホ遺跡で重要な建物のひとつ。

モチェ時代に日干し煉瓦で造られた階段状のピラミッドです。

大きさは、長さ103メートル、幅98メートル、高さ22メートルあります。

大きな切れ目の謎

コルタダはスペイン語で”切られた”を意味しますが、その名の通り、南の外面の中央に、長さ45メートル・幅5メートルの切れ目があります。
この切れ目は、ペルーのスペインの征服後(16世紀)に、略奪者が内部のお宝を奪おうとした際に壊された跡です。

女性のミイラ「カオの婦人」の展示

隣接する博物館に、ワカ・カオ・ビエホで発見された女性のミイラが展示されていて見学することができます。

このミイラの発見からわかる様々なこと

身長1.48メートルの入れ墨をした女性のミイラですが、人類学の調査によると、この女性は約25歳の頃に亡くなったとされています。

親知らずの膿瘍に苦しんでいたこと、産後の妊娠中毒により亡くなったこと、さらには彼女の体が海水で洗われたことが、このミイラの発見により明らかになっています。
髪の毛の調査では、トウモロコシ粒と水産物を食していることもわかっているようです。

1人のミイラから色んなことがわかるんですね。

ポソ・セレモニアル(Pozo Ceremonial)

ポソは井戸のことで、2004年に発見されました。
モチェ時代の人々によって少なくとも1500年前に建てられたもので、深さは12メートルあります。

考古学の発掘中に、井戸の中にいくつもの埋葬された遺体が発見されました。

現在はヒーラーによる儀式に利用されている

現在この井戸は、マグダレナ・デ・カオ町のヒーラーによる浄化等の儀式に利用されています。この儀式は、魔術と宗教の世界との象徴的な融合を目的としています。

儀式用井戸の深部に入ると、パチャママ(アンデスの古い神話に現れる代表的な女神。また、ケチュア語・アイマラ語で母なる大地を意味します)への子宮の中に入ることを意味し、生まれ変われるというスピリチュアルな体験ができます。

日本でいう仏教寺院の「胎内めぐり」や「戒壇めぐり」のようなものに近いのかもしれませんね。

さいごに

ペルーのエル・ブルホ遺跡。

あまり知られていないので行ったことのある人は少ないかもしれませんが、ペルーの古代文化に触れられる場所。壁画もじっくりと観察してみたいものです。

魔術師のパワースポットとされていたその場所の雰囲気を肌で感じてみたい方は、ぜひ行ってみると貴重な経験ができること間違いなしです。

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この記事を書いた人は

酉年生まれのアラフォーママ。
申年の夫と申年と戌年の息子がいる。

日本とペルーがモチーフのショルダーバッグがトレードマーク。中にはいつもルーペが入っている。

夫のいるペルーへ2020年4月に移住予定だったが、COVID-19の影響で国境閉鎖になり渡航できずにいる。

早く安心安全な生活が戻り、ペルーへ行けることを願っている。

→2020年12月、次男の熱傷事故により渡航は断念。日本で子供2人と3人だけでの生活に奮闘中。

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